物質は温度,圧力,磁場などの環境の変化とともに様々な状態をとります。例えば,水の凝固,気化は日常的な現象です。このような物質の異なる相状態への変化は「相転移」と呼ばれており,自然界の興味深い現象であるばかりでなく,工学において多種多様に応用がなされています。また,人間社会においても類似した現象は見られ,相転移に関する理解は現代科学の幅広い分野において有用です。この授業では「熱力学」熱統計力学I」などで履修した古典的な熱・統計力学の考えをもとにして、原子, 分子あるいは電子スピンが互いに相互作用を及ぼしあいながら全体として相転移へと進む過程について、その物理の基礎的な理解を深めます。
 「相転移論I」では古典的な熱力学を基礎とした内容を扱います。