行政法Ⅰでの学習を踏まえて、行政法Ⅱでは、行政作用によって国民が不利益を受けた場合の救済方法を学びます。救済方法は、大きく、行政行為の取消し等を求める行政争訟と、金銭的な補償を求める国家補償に分けられます。このうち行政争訟には、裁判所に対して訴える行政訴訟と、行政機関に対して訴える行政上の不服申立てがあります。また、国家補償には、違法な国家作用によって受けた損害の賠償を求める国家賠償と、適法な国家作用によって受けた損失の補償を求める損失補償がありますが、両者によって救済できない場合(国家補償の谷間)をどうするかという問題も重要な課題です。この授業では、行政救済法の基礎的な知識・理解を身につけるとともに、具体的な紛争に直面した場合の問題解決能力(専門的技能及び汎用的能力)を養うことを目的とします。基本的な事項をわかりやすく講義することを何よりも心がけますが、アクチュアルな問題や最近の判例なども随時取り上げたいと思います。また、司法試験や公務員試験などの準備にも役立つ内容にするつもりです。