多様体は曲線や曲面の概念の一般化で、現代的な幾何学の主要な対象です。また、解析学や代数学においても様々な状況で自然に現れます。本講義ではまず多様体の定義やその上の関数、さらに多様体から多様体への写像について学びます。また、接ベクトル空間やその一般化としてのベクトル束やファイバー束についても定義や基礎的な性質を学びます。もし時間が許せば、多様体上のベクトル場や微分形式などについても触れます。

この講義の内容なほとんどが様々な状況を描写するための「言葉」を用意するもので、内容として深いものはありません。講義を聞く上ではまず出てくる言葉(用語)の意味をよく理解して、具体的で簡単な例で使ってみることを心がけて欲しいと思います。

教科書は「多様体の基礎」(松本幸夫著、東大出版)を用います。